複数ブログ所有している方は、月次の実績には必ず目を通している方が多いと思います。
どのくらいの収益が見込めるのか、
どのサイトのアクセスが上がったのか下がったのか、
問題はどこにあるのか、
どういった改善が必要になるのか、
などなど、安定的に収益を増やしている方ほど月次データの分析に多くの時間を費やしていることと思います。
中にはデータなどチェックしなくても、売上倍増!という天才肌の方もいらっしゃるとは思いますが・・・・・・。(と言っても、そもそもそんな方は、このブログを読むはずもないですね。)
それはさておき、ファイルメーカーを使って時間のかかるデータ取得作業を効率化して、データを自分のサイトの実態に合わせた形で見える化することができれば、ブログ運営をする上でいちばん大切な分析・改善作業により多くの時間を使えるようになります。
しっかりと分析をして、自分なりの改善点を抽出したら、あとはページを修正したりといった、実際に手を動かす作業に集中することができます。
そして、しっかりデータを分析することができれば、この次はどのようなサイトやページを新しく作ったらよいか、という「攻め」の運営スタイルを取ることが可能になります。
日々の修正に追われて「守り」の姿勢になってしまうことが多いですが、「攻め」に転じることができれば、これから先の収益アップも期待できます。「守り」だけだと、収益も先細りになってしまいますからね。
このページでは、ファイルメーカーを活用して、月次管理作業を効率化させて、本来すべき分析・改善作業に時間を割けるようするか、基本的なアイデアを紹介しています。
具体的には、データを効率的に取得する方法から、分析・改善点抽出方法、タスク管理方法まで、ワンセットで管理できる仕組みを紹介しています。
目次
月次管理の目的とゴールとは何か
毎月ルーティンでブログの実績をチェックされている方にとっては、今更感があるとは思いますが、今一度月次管理の目的とゴールを簡単に整理しておきたいと思います。
ちなみに月次管理の考え方は、サイト所有者の方針によって様々なスタイルがあるかとは思います。全てのスタイルをカバーすることはできないので、ここでは私のケースで考えていきます。
月次管理の目的
月次管理の目的は、ぶっちゃけて言えば今月いくらの売上があったのかを確認することです。
でもただ確認するだけでは、人間満足しないんですよね。今月の売上の数字を見て、じゃあ次どうする?って考えたくなるんですよ。
もし売り上げが順調なら、さらに売上を伸ばすにはどうするか。逆に売上が落ち込んでいたら、どうしたら売上を上げることができるかを考えますよね。
そのためには、個別サイトの動向がどうなっているのか把握しなくてはなりません。先月と比べて伸びているのか、減っているのか。どのページが伸びて、どのページが悪いのか。季節性はあるのかないのか、などなど。
つまり、全体を見ながらも細部までざっと目を通すことで、現在の状況を掴むのが月次管理の目的なのです。
言って見れば、地図で今まで歩いてきた場所を再確認するような作業です。ちゃんと思ったように進んでいるのか、道から逸れていないか、自分のゴールまであとどのくらいか、などを月次データを見ることで、再確認するのです。
こう考えると、月次管理ってとても重要な作業ですよね。
月次管理の項目例
私が実際に複数サイトの月次管理で実施している項目例です。
細い部分は省略していますが、だいたいこんな流れです。
項目例
- サイト全体の収益や実積を把握
- 個別サイトごとの収益や実績を把握
- 先月や前年同月との比較
- 過去からの推移
- 先月実施した改善が今月にどう反映したかのチェック
- 来月以降の運営方針修正
- 改善点の抽出・管理
- 優先順位づけ
こうやって項目をリストしてみると、なんかとってもお堅い感じがしますけど、実際やる感じでは、データより直感的な部分の方が多いです。
自分が確認したいデータを直感的に把握できるように加工していますし、問題点がすぐに把握できるような形に適宜カスタマイズしていっています。
特に必要な部分だけ重点的に分析する
見ておきたいデータは多岐に渡りますから、全部に目を通すわけにはいきません。
それでも悪化している箇所だけは事前に掴んでおきたいので、これまでの経験から悪化しやすい箇所を特定しておき、その部分にはとくに時間を割いて分析し、それ以外の箇所はささっと目を通すだけ、という感じです。
人間ドックを受けた方は、わかるかもしれませんが、異常な部分をあぶり出す、というニュアンスが強いです。
レーダー探知機みたいなニュアンスが強いかも。悪いところをすかさず見つけて治す、みたいな感じ。
実績データの取得
では実際の仕組みについて見て行きましょう。
多岐にわたるデータ取得項目を一元化する
まずは、サイトの実績データを取得していきます。データが無いと分析も何もできませんからね。
サイト運営で収益を上げる場合のデータって、一つではなく多岐にわたります。
サイトのアクセスの実績データはもちろんのこと、アドセンスやアフィリエイトの実績データも必要になってきます。
私の場合は、主にアドセンスとアフィリエイトを収益の柱にしています。
この場合に取得するデータは、Google Analytics、Adsense、各ASPのデータとなります。
SNSや動画サイトなど、他にも取得したいデータがある場合は、当然それらのデータも取得しておいた方が良いでしょう。
これらすべてのデータをすべてファイルメーカーに取り込んで一元化します。
一度ファイルメーカーに取り込んでしまえば、ファイルメーカーを開くだけですべてのデータにアクセスできます。しかもそれらのデータはすべて連携が可能です。
例えば、特定のページのアクセス実績を把握しながら、そのページの検索クエリ実績やアドセンス実績も同時に把握できるようになります。
しかも、そのページの修正記録も紐づけられるので、いつ何の修正をしたらアクセスが上がったのか、あるいは売上がどう変化したのかが一発で把握できるようになります。
これがデータを一元化するメリットです。
ファイルメーカーを活用すれば、難しいプログラミング知識なしでも、このようにデータを一元化して管理することができます。
時間のかかるデータ取得時間を自動化する
データを一元化すると、あらゆるデータを連携して管理できますが、データの出所は多岐にわたるので、どうしてもデータの取得に時間がかかります。
手動でいちいちデータをダウンロードして、ファイルメーカーに取り込んでいたら時間がいくらあっても足りないので、データ取得作業を一部自動化しておきます。
自動化というと、RPA(ロボテック・プロセス・オートメーション)とか何となく専門的で難しいイメージがありますが、プログラミング知識はほとんど不要で、しかも無料でできます。
ただし、若干泥臭いやり方ですが・・・・・・。私が実際にやっている方法をご紹介したいと思います。
私の場合は、主にアドセンスとアフィリエイトを収益の柱にしていますから、必要なデータは、Google AnalyticsとGoogle Adsense、そして各ASPのデータになります。
このうち、Google AnalyticsとGoogle Adsenseのデータについては、必要なデータをメールで受信できるようにあらかじめ設定しておきます。
プログラミング知識のある方は、APIで取得しても良いです。私のようなプログラミングが苦手な方は、メールで送ってもらうように設定した方が良いでしょう。
メールだとデータは添付ファイル形式で送られてきます。これをAutomatorで一気にパソコン内に取り込みます。(Automatorは、Mac付属の自動化ソフトです。)
各ASPの実績データは手動でダウンロードします。(WEBサイトを自動で制御できるようなソフトがあれば、それを使うのもありかとは思いますが、セキュリティが不安なので、私は使っていません。)
ASPの場合は、各社でいろいろ違うので、手動の方が早いだろうという判断です。APIでデータを取得することもできるかもしれないですが、難しそうなので私は手動でやることにしています。
すべてのデータがパソコンの中に揃ったら、今度はファイルメーカーに取り込んでいきます。
ファイルメーカーへのデータ取り込みは、スクリプトを作って自動で取り込むことができます。スクリプトと聞くと何となく難しい感じがしますが、データを取り込むスクリプトは大体どれも似たようなステップになるので、一度定形を覚えてしまえばあとは楽チンです。
取り込みたい項目ごとに設定していく必要があるので、ちょっと面倒くさいんですけど、一度設定してしまえば、あとはボタンを押すだけで、自動で取り込んでくれるのでめちゃくちゃ楽になります。
自分で設定した取り込みボタンを押して、データが一瞬でポンと反映されるのは、ちょっとした快感ですよ。
分析(データの見える化)
データを取得したら、いよいよ次は取得したデータの分析に入りましょう。
ファイルメーカーに取り込んだデータは、棒グラフや円グラフにして視覚的にサイトの状態を把握することができます。
私の場合は、まずは所有サイト全体の売上動向を把握してから、個別サイトの概要を把握していくスタイルです。
サイトの運営スタイルによって、把握したいデータの種類、見たいグラフの種類、比較したいデータなどが変わってきます。
ここでは、私が作っている月次管理の画面を簡単に紹介します。ファイルメーカーを活用すれば、こんな月次管理ができるんです。
売上の状況を把握
月次管理のダッシュボード画面はこんな感じです。
目標金額に対して、実績はどうだったのか。次月目標はいくらにするかを設定しています。
左側は、売上の推移のグラフ。アドセンスとアフィエイト確定、そしてキャッシュの推移。右側は詳細の数字の表です。
サイト全体の概要を把握
サイト全体の状況は、こんな画面で把握。
アクセスと収益の両面で実績推移を1画面に表示するようにして、どのサイトが問題が発生しているのか、一目でわかるようにしています。
個別サイトごとの管理
サイト全体の状況が把握できたら、次は個別サイトごとの実績をもう少し詳しく見ていきます。
先月行った改善はアクセスアップや収益増に効果あったのかなかったのかも、ここで把握できます。
また、日別で管理しているデータとは違う角度からデータを見るので、この段階で結構問題が見つかることも多いです。
改善点の検討とタスク管理
所有サイトのデータを分析して問題点があれば、改善策を検討していきます。
改善策がすぐ思いつくものは良いですが、ほとんど根が深い問題だったりします。運営方針が間違っていたとか、ターゲットの検索クエリをもう少しずらしたほうが良い場合、記事を大幅に書き換える必要がでてきた場合などは、改善場所が多岐にわたります。
そのような場合は、一日作業での完了は無理なので、数日〜数週間に作業を分割する必要が出てきます。その場合は、いったん作業を細かく分割して実施予定日と締切日を設定していきます。
最終的にガントチャートなどを使って、作業量を調整していきます。一日にできる作業量は限界がありますからね。ここであまり作業量を詰め込んでしまうと、計画が破綻する原因になります。
急にアクセスが下がった検索クエリやページがでてきたなど、突発で改善しなければならないタスクも日々発生してきますから、なるべく余裕を持った作業量にしておきたいです。
ちなみにガントチャートもファイルメーカーで簡単に自作ができます。月次の分析とタスク管理がシームレスにつながるので、管理の効率化に繋がります。
所要時間
データ取得から分析、TODOの調整までにかかる所要時間は、私の場合は、だいたい半日ぐらいかけています。
データ取得作業はだいたい15〜30分ぐらいはかかる感じです。もちろん、どのくらいのデータを取得するかによりますが。
ファイルメーカーの仕組みを構築する前までは、データ取得に半日かけてたのを思えば、劇的に効率化しました。データを取り込むだけで、満足してしまい、正直分析どころじゃなかったです。
今ではデータ取得後にちょっと一息休憩してから、落ち着いて分析作業に入ることができるようになりました。
まとめ
月次管理は、複数ブログを運営していく中でもかなり重要な作業です。
ひと月の間にやったことの結果を数字で確認できるので、何をすれば改善につながるのかというノウハウの蓄積にもなり、蓄積したデータを活用することで、収益アップにつなげることができます
また管理するデータ項目は、未来永劫同じものとは限りません。チェックしたいデータは、IT技術の向上や市場の変化で様々に変化していくものです。
また自分のサイトが成長していくにつれ、欲しいデータも変化していきます。
これらの変化に柔軟に対応できるのが、ファイルメーカーの良さでもあります。
自分で仕組みを作るのはちょっと手間がかかり面倒かも思ってしまうかもしれませんが、一度仕組みを作ってしまえば、あとはかなり楽ちん。
モノは考えようで、自分仕様のデータ管理プラットフォームをIT業者に発注すれば、何千万もかかります。でもファイルメーカーなら数万円で購入して、あとは自分の好きなように構築できるのです。
構築するのは素人でも簡単にできます。まるでレゴブロックを組み立てるようにしてできてしまいます。
もし複数ブログの管理ツールを探しているのなら、ファイルメーカーを活用するのがオススメです。
まずは、複数のサイト管理ツールを構築しよう
ブログやWEBサイトの運営・管理システムを構築するための土台となる、サイト管理データベースを作成してみませんか?
このブログでは、ファイルメーカーを使って、基本的なサイト管理データベースを作る方法を紹介しています。
この動画では、必要最低限のフィールドに絞っていますので、誰でも簡単にサイト管理の基本的なシステムを構築することができます。
一度このシステムを作ってしまえば、後から好きな項目を自由に追加できるようになります。
また、将来的にアクセス管理や記事管理などといった拡張にも対応できるような設計なので、これから複数サイト管理をしていきたい方にも最適です。
プログラミングの知識は不要です。初心者でも簡単に構築できます。
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ブログ管理システム構築BASIC講座
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